オーバーヒート

昔のハリウッド映画では、広い荒野に車を停めて、煙を吹きだす車の前で立ち往生するシーンが登場します。
最近は車の性能とともに冷却システムの性能も向上しているので、オーバーヒートすることはほとんどなくなりました。
ただ、古いアメ車の場合、エンジンへの高負荷やパーツの経年劣化によって、オーバーヒートを引き起こす可能性があります。

オーバーヒートが起こる原因

オーバーヒートとは高温のエンジンを冷やしきれず、エンジンの稼働限界温度を超えてしまった状態のことです。
温度が上がり続けるエンジンは冷やさないといけないので、冷却システムが備わっています。
冷却システムはエンジンの周りをラジエーターで冷やされたクーラントが循環し、熱を奪ってエンジンを冷やすします。
クーラントが循環できないとエンジンの温度が上がりオーバーヒートしてしまうのです。

夏のアメ車はサーモスタットに注意が必要

サーモスタットとは水冷エンジンの冷却装置の一部で、水温=エンジン温を調節するための部品です。
水冷式エンジンの冷却装置であるラジエーターへ送る冷却水の流れを、サーモスタットで調整することで、エンジンが熱くなりすぎたり、冷えすぎたりしないようにコントールします。
サーモスタットは熱によって伸縮するのですが、経年劣化で傷むと動かなくなってしまいます。そうすると、冷却水がラジエターに送られなくなりオーバーヒートの原因に。
サーモスタットはセンサーのついていないアナログな部品で、コンピュータでは管理できない部品です。
水温に異常が出ればチェックゲージは点灯しますが、サーモスタットの劣化まではわかりません。
もしも、水温計が上がりやすい状況の場合は、修理工場に見てもらったほうがいいでしょう。

ラジエーターの詰まり

循環しているクーラントを冷やす役割があります。アルミでできた放熱板が循環クーラント液の熱を奪い、走行風で冷却します。
放熱板に傷やごみがつき空気の流れが悪くなると冷却性能が下がるので、オーバーヒートしたら一度確認したいところです。

アメ車がオーバーヒートしてしまったら

オーバーヒートしたら、すぐに安全な場所に車を停めましょう。その後、エンジンの状態、冷却系の状態により対処が分かれますが、ロードサービスや修理工場にお願いしてください。
映画のようにボンネットを開けるというのは大変危険です。非常に高温になっており、蒸気でやけどする可能性も。
ボンネットを開ける場合は、温度が下がるまで待つようにしてください。